株価が急落する日には「投資家が恐怖に包まれた」という表現がニュースに登場し、逆に連日高値を更新すると「過熱」という言葉がついて回ります。こうした心理は漠然とした雰囲気のように感じられますが、実は複数の市場データを組み合わせれば0から100までの数字としてかなり具体的に測定できます。その代表的なツールが恐怖・強欲指数(Fear & Greed Index)です。今日の数値が正確に何点かは日々変わりますが、読み方さえ覚えておけばずっと使えます。
恐怖・強欲指数とは
恐怖・強欲指数は、市場参加者の心理が恐怖(売り優勢)に近いのか強欲(買い優勢)に近いのかを一つの数字で示す指標です。0に近いほど極端な恐怖(Extreme Fear)、100に近いほど極端な強欲(Extreme Greed)を意味します。一般に次のように区分します。
0から24は極端な恐怖で、投資家がパニックに近い売りを見せる状態です。25から44は恐怖、45から55は中立、56から74は強欲となります。75から100は極端な強欲で、過熱や買われすぎの可能性がある状態です。
この指数が注目されるのは、単なる雰囲気の測定ではなく、複数の客観的データを総合するためです。
指数は0〜100の範囲で、極端な恐怖は買いの好機、極端な強欲は過熱の警戒と読みます。
CNN恐怖・強欲指数の7つの構成要素
米国株式市場を対象とするCNN恐怖・強欲指数は、次の7つのシグナルを総合して算出します。
株価モメンタム(Market Momentum)はS&P 500が125日移動平均線よりどれだけ上か下にあるかを見ます。株価の強さ(Stock Price Strength)は52週高値を更新した銘柄に対する安値銘柄の数、市場の広がり(Stock Price Breadth)は上昇出来高と下落出来高の差です。プット/コール比率(Put/Call Ratio)は下落に賭けるプットがコールに対してどれだけ多いかを示し、市場のボラティリティ(VIX)はボラティリティ指数が平常より高いかを見ます。ジャンク債需要(Junk Bond Demand)はリスクの高い高利回り債と安全な国債の利回り差、安全資産需要(Safe Haven Demand)は株式と国債の直近リターンの差です。
各要素は投資家がリスクを避けているか求めているかを異なる角度から測定します。例えばプットが急増しVIXが跳ね上がれば恐怖側へ、ジャンク債需要が増え高値銘柄が多くなれば強欲側へ指数が動きます。
暗号資産の恐怖・強欲指数
暗号資産市場にはAlternative.meが提供する別の恐怖・強欲指数があります。ボラティリティ、市場の出来高とモメンタム、SNSの言及量、ビットコインのドミナンス、Google検索トレンドなどを総合します。株式の指数と同様に0から100のスケールを使いますが、暗号資産特有の高いボラティリティのため、極端な値に達することが多い傾向があります。
どう活用するか:逆張りのツール
ウォーレン・バフェットの有名な言葉「他人が強欲なときに恐れ、他人が恐れているときに強欲であれ」は、恐怖・強欲指数の使い方を凝縮しています。つまりこの指標は主に逆張り(コントラリアン)シグナルとして使われます。
極端な恐怖(0から24)は、行き過ぎた売りで資産が割安になっている可能性を示し、長期投資家には買いの好機になり得ます。極端な強欲(75から100)は過熱で調整リスクが高まった局面で、新規参入には慎重になるべき時です。
では指数が底なら無条件で買っていいのでしょうか。答えは「いいえ」に近いです。ただし必ず覚えておくべき点があります。恐怖・強欲指数はタイミングを正確に当てるツールではありません。市場は極端な恐怖からさらに深く下落することもあり、極端な強欲が何か月も続いて上昇を続けることもあります。この指数は現在の心理の温度を教えてくれるだけで、単独で売買タイミングを決める信号として使うのは危険です。
他の指標と合わせて見る
恐怖・強欲指数はVIX(ボラティリティ指数)、プット/コール比率、イールドカーブといった他の心理・マクロ指標と合わせて見るとき意味が大きくなります。例えば恐怖指数が底なのにVIXも急騰し信用スプレッドが広がっていれば、市場のストレスが複数の場所で同時に確認されていることになります。
Global Market Dashboardでは、CNN恐怖・強欲指数と暗号資産の恐怖・強欲指数をゲージと180日推移チャートで併せて提供し、各構成要素のスコアまで一目で確認できます。心理がどちらに傾いているかを素早く把握する出発点として活用してみてください。
一次情報: 暗号資産の恐怖・強欲指数、Alternative.me
本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘ではありません。